保健センターお知らせ
2010-07-02 08:45:00
手足口病に注意しましょう
<奈良県保健環境研究センター6月だより>
~手足口病の流行が早まっています~
手足口病は主に乳幼児・小児に見られる疾患で、手のひら、足の裏、口の中の水疱性の発疹(水ぶくれのような発疹)を特徴とし、発熱や痛みを伴うこともあります。一般的に軽症で後遺症もありませんが、ごく稀に無菌性髄膜炎を併発することがあります。手足口病の原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71など複数あるため、一度かかっても他の種類のウイルスの感染で再び発症する可能性があります。
感染症発生動向調査では、全国の定点医療機関からの報告に基づいて各種疾患の発生動向を分析しています。手足口病は日本では毎年夏季に流行しますが、今年はすでに過去の同時期に比べて報告数が非常に多くなっており、奈良県でも同様の傾向が見られます。
当センターでは、3月に採取された手足口病患者のサーベイランス検体から遺伝子検査によってエンテロウイルス71を検出しました。全国的にもエンテロウイルス71の検出報告数が増えており、今年の手足口病の主因ウイルスであると考えられます。
手足口病は、感染者の排泄物や咳などによる飛沫から経口的に人に感染しますが、現在のところワクチンや抗ウイルス剤がありませんので治療は対症療法が中心となります。予防には手洗いやうがいの励行、タオル等の共用をしないことといった一般的な注意が必要です。
感染症発生動向調査では、全国の定点医療機関からの報告に基づいて各種疾患の発生動向を分析しています。手足口病は日本では毎年夏季に流行しますが、今年はすでに過去の同時期に比べて報告数が非常に多くなっており、奈良県でも同様の傾向が見られます。
当センターでは、3月に採取された手足口病患者のサーベイランス検体から遺伝子検査によってエンテロウイルス71を検出しました。全国的にもエンテロウイルス71の検出報告数が増えており、今年の手足口病の主因ウイルスであると考えられます。
手足口病は、感染者の排泄物や咳などによる飛沫から経口的に人に感染しますが、現在のところワクチンや抗ウイルス剤がありませんので治療は対症療法が中心となります。予防には手洗いやうがいの励行、タオル等の共用をしないことといった一般的な注意が必要です。

図. 全国の手足口病定点当たり患者届出数 IDWR
全国感染症発生動向調査週報より(2010年第17週現在)
全国感染症発生動向調査週報より(2010年第17週現在)
手足口病に関するQ&A (平成22年6月)
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<手足口病とは>
Q1 手足口病とはどのような病気ですか?
A1:手足口病は、口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感
染症です。こどもを中心に、主に夏季に流行します。感染症発生動向調査によると、例年、報
告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。病気の原因となるウイルスは、主にコク
サッキーウイルスA16、エンテロウイルス71(EV71)で、その他、コクサッキーウイルスA6、A9、
A10などが原因になることもあります。
Q2 どのようにして感染するのですか?
A2:感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感
染することです)が知られています。特に、この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生
活をしている保育施設や幼稚園などでは、こども達同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生
じやすい環境であることや、衛生観念がまだ発達していないことから、施設の中で手足口病の
患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすいです。また、乳幼児では原因となるウイル
スに感染した経験のない者の割合が高いですから、感染したこどもの多くが発病します。
Q3 どのような症状が出ますか?
A3:感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出
ます。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続く
ことは通常はありません。ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。しかし、まれで
すが、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺
水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることがあります。(特にEV71に感染した場
合には、他のエンテロウイルスによる手足口病と比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす
割合が高いことが明らかとなってきています。)また、手足口病の典型的な症状がみられずに
重症になることもありますので、注意が必要です。
手足口病にかかったこどもの経過を注意深く観察し、合併症に注意をする必要があります。
<予防対策について>
Q4 感染しないようにするために、どのようなことに注意すればよいですか?
A4:手足口病には予防接種はなく、また手足口病の発病を予防できる薬もありません。治った後で
も、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。また、感染しても発病
はせず、ウイルスを排泄している人もいると思われます。これらのことから、発病した人だけを
長期間隔離しても有効な感染対策とはなりませんし、現実的でもありません。前述したように、
衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では、施設内での感染の広がりを防
ぐことは難しいです。しかし、手足口病は、発病しても、軽い症状だけで治ってしまうことがほと
んどであり、感染してはいけない特別な病気ではありません。これまでほとんどの人がこども
の間にかかって、免疫をつけてきた感染症であるということも知っておいていただきたいことで
す。
一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を
適切に処理することです。特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないた
めに、職員とこども達が、しっかりと手洗いをすることが大切です。特におむつを交換する時に
は、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。
手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしてはいけません。
手足口病は、治った後もしばらくは便の中にウイルスが排泄されますし、感染しても発病しない
ままウイルスを排泄している人もいると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗い
が大切です。
<治療について>
Q5 治療方法はありますか?
A5:手足口病に特効薬はなく、特別な治療方法はありません。また、基本的には軽い症状の病気
ですから、経過観察を含め、症状に応じた治療となります。しかし、まれに髄膜炎や脳炎など
中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、高熱が出
る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸
が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状がみら
れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
<国内及び世界の発生状況について>
Q6 日本での発生状況は?
A6:毎年、夏を中心として発生し、7月下旬に流行のピークを迎えますが、平成22年は例年よりも
早く発生数が増加しています。今後、夏に向けてさらに発生数が増加し、流行が大きくなっ
ていくことが予想されますので、注意が必要です。特に今年は、EV71による手足口病の発生
割合が多いです。手足口病は、ほとんどの場合、軽症で治りますが、EV71による手足口病は、
他のウイルスによる手足口病に比べて、重症化する割合が高いといわれていますから、しっ
かりと経過観察をする必要があります。
Q7 世界での発生状況は?
A7:手足口病は、世界中でみられる病気です。温帯地域では、主に夏に発生します。
EV71による手足口病の流行は、これまでにも、アジア各国で報告されています。マレーシ
ア、台湾、中国などでは、近年、EV71による手足口病の大きな流行が報告されています。平
成22年は、日本と同じように、早く流行が始まっていると思われる国もあります。
<参考文献&リンク>
国立感染症研究所 手足口病とは?
IDWR感染症発生動向調査週報 注目すべき感染症「手足口病」:
<このQ&Aは、国立感染症研究所の先生方の御協力により作成しました>
