■2012年02月01日(水)  かん館メールマガジン2012/2月号
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┃ ○ 香芝市から 図書館・博物館 館長メルマガ 『かん館メールマガジン』
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○ 目次

図書館長マガジン  館長 谷垣笑子
博物館長マガジン  館長 石野博信 
香芝市の文化財−77
二上山博物館イベント情報

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//// 香芝市民図書館 館長 谷 垣 笑 子 ////

お正月が過ぎ、早や一ヶ月。

上空の寒気の影響で、日本海を中心に大雪が降り、日本列島は厳しい寒さが続いています。

今年は節電対策も言われています。

どうぞ風邪などひかれませんようお気をつけください。

昨年9月、プランターで育つかどうか、試しに景品でいただいた大根の種を播いていました。

日当たりがあまりよくありませんので、生育は遅いですが、それでも5センチほどの太さに育っています。

上部の中心から次々と出てきた小さな緑の葉っぱが大きく伸びて、花とは違った趣です。

成長の楽しみと冬の寂しいベランダにわずかに広がる緑が眼と心を癒してくれています。

今更ながら、お日さまの恵みと植物の正直さを実感しています。

2月になりますとそろそろ梅の花が話題になってきます。

県内には「月ヶ瀬梅渓」、「賀名生梅林」をはじめ梅の名所が多くあります。

開花はまだまだ先のことですが、日を追うごとに梅だよりがもたらされ、多くの人がそれを心待ちにします。

梅はバラ科サクラ属の落葉低木で、古代に中国から渡来したと言われており、特に貴族に愛でられ、万葉の歌にも多く詠まれています。

また、正倉院宝庫に収納されている供物を置く小さな机「粉地彩絵几(ふんじさいえのき)」の天板の側面には、淡いピンクの地に梅の花が描かれていて、珍重されていたことを窺わせます。

白梅や紅梅の一重の花ビラは、清楚な可憐さだけでなく、ふくいくと放たれる香りはまわりの冷気を包み込み、ひときわその存在を際立たせます。

幸田露伴はその著『花のいろいろ』の中で「梅は野にありても山にありても、小川のほとりにありても荒磯の隅にありても、ただおのれの花の清きのみならず、あたりのさまを床しきかたに見さするものなり」と書いています。

また、梅はめでたいものとして、「松竹梅(しょうちくばい)」と並んで称されています。

桜など他の花に先駆けて、美しい花を咲かせるところからきたとする説もあるようです。

余談ですが、どうしてこのような並び順になったのでしょう。

松は特上、竹は上、梅は並とお寿司や料理のランク付けに使われているのには少々不満ですが、並と注文するよりは梅というほうが洒落ているよ、と言われてみれば、目くじらをたてるほどのこともないでしょうか。

かっては鰻屋で長時間待たされるところから、「待つ(松)だけ(竹)うめ(梅)え」と洒落た言い方もされたようです(笑い)。

梅は、寒風にさらされ、枝に積もった冷たい雪のなかにわずかに膨らむ新芽が、それでもじっと我慢しながら少しずつ大きくなって、ついには美しい花を咲かせます。

このように逆境に耐えるところから、松や竹とともに「厳寒の三友」(『論語』からきているようです)と呼ばれています。

私もこのような梅の姿に惹かれますが、さらには寒風の叱咤激励と雪の守りに支えられ、やがて冷たい風や雪が去り、独り立ちしたとき、支えを肥やしに見事に花を開かせると言います。

人生とダブらせるようなところが梅にはあるように感じられます。

さあ私も梅に習って、見事な花(厚かましい?いえいえ仕事のことですよ。)を咲かせるため、通勤の寒さに耐えて、まだまだ続くこの冬を乗り切りたいものです。

そういえば、長谷寺には紀貫之ゆかりの梅(「故里の梅」)があり、「人はいさ 心も知らず 故里(ふるさと)は 花ぞ昔の香ににほいける」(古今集)と詠まれています。

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//// 二上山博物館 館長 石 野 博 信 ////

― 今、古代大和は(77) ―

“ももづたふ磐余の池…”か!

―大津皇子辞世の歌に登場―

“ももづたふ 磐余の池に鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ”

二上山に再葬された大津皇子辞世の歌に詠まれている“磐余池”か!2011年12月16日に大きく報道された。

二上山博物館としても大いに関心のあるところで、12月12日に現地に出かけた。

橿原市東池尻町の一画に市道を造るため、市教育委員会が事前発掘調査を行ったところ、6世紀後半の巨大な堤防と堤防上の建物群が現れた。

場所は香久山の東側で、以前から磐余池の堤防と推定されていた地点に当たる。

堤防の幅50メートル余、長さ300メートル余以上あり、推定される池の大きさは南北600×東西700メートルと巨大だ。

磐余池は、『日本書紀』では5世紀前半の履中天皇時代に造り、585年に用明天皇が池のほとりに、「磐余池辺双槻宮(いわれいけべのなみつきのみや)を設けている。

大津皇子は、686年に謀反をおこしたとして持統天皇によって死を賜った“悲劇の皇子”とされており、自宅の桜井市戒重付近から飛鳥に連行される途中に詠まれたとされているのが冒頭の辞世の歌である。

磐余池伝承地は、桜井市吉備にもあり、今回の調査によって議論が活発になることが期待される。

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かしばの文化財−77

香芝市の古墳

■法楽寺山古墳

地図 所在地図
   http://kashiba-city.net/cancan/data/20120201.pdf

写真 法楽寺山古墳採集「須恵器」
   http://kashiba-city.net/cancan/data/20120202.jpg

二上山博物館の収蔵庫には、昭和27年に法楽寺山古墳から採集された須恵器の杯身・杯蓋など6点を保管しています。

これは法楽寺(下田)の本堂新築の際に当館に寄贈していただいたものですが、昭和36年頃に書かれた下記の西村逸石さんの手記から、おそらく西村さん保管の採集資料と考えております。

さて、この法楽寺山古墳ですが、法楽寺の東側の丘陵にあったことからその名があるようですが、香芝市の遺跡地図には所在の表示がなく、かつて古墳があったと思われる一帯は、広く「法楽寺山遺跡」として縄文時代の遺物散布地となっています。

そのため、未知の古墳、幻の古墳とも言えます。

『香芝町史』の「法楽寺山古墳」の項をまとめると、「昭和2年頃、組合式石棺を直葬した古墳が1基発見され、法楽寺山古墳と呼ばれている。

丘陵の頂部を平坦化して東西に2組の石棺があり、北側は5枚の底板(規模は2.4メートル×0.75メートル)上に側石を立て、蓋石と側石の一部は失われていた。

南側は北棺の南0.9メートルの地点に並行して置かれており、同規模であるが破壊が著しく、底石2枚と側石を若干残すのみであった」とあります。

下記の手記をみると、法楽寺山には2基の古墳があったとあり、「東ノ古墳」・「西ノ古墳」とされています。

町史で書かれている古墳は「東ノ古墳」(夫婦塚)のことと考えられ、さらに50〜60メートル離れた地点にあったとされる「西ノ古墳」のことには触れられていません。

西村さんは郷土史家であり、氏がまとめられた多くの原稿を数年前の鹿島神社(下田)の調査で発見し、すべて写真撮影やコピーをして博物館で保管しています。

昭和26〜39年頃の下田を語る貴重な一括資料であることは間違いなく、今後きちんと精査する必要性を感じています。


法楽寺山ノ古墳(西村逸石氏の手記から)

昔大字下田ニハ法楽寺山ニ古墳二ヶ所アツタ。

法楽寺山トハ法楽寺ヨリ東、谷ノ町春日神社ノ西隣ニアル中ノ池ヨリ北方一帯ノ丘陵地帯デアツタ。

元松林デアツタガ大正ノ中頃之レヲ開墾し現在ハ畠トナツテ居ル。

其ノ南寄ノ高地ハ現在俗ニ池邊ノ里ト称シ(中略)。

法楽寺山古墳ノ内東ノ古墳ハ○○氏宅ノ北側辺ニアツタ云ウ。

現在ハ跡形モナクスベテ畑地耕作地トナツテ居ル。

之ノ古墳ニ付テ○○○○氏ノ実■デハ、元之ノ古墳ノ近クニ一本ノ老松樹ガアツテ枝ガ垂レテヨイ■デアツタ。

古墳ハ俗ニ、ミヨト(夫婦)塚ト呼バレ石棺ガ密接シテ二ツ並ンデ居タ。

蓋石ハ既二持チ去ラレテ、溝ノ板橋用トナリ、石造ノ側壁、中隅、底ガ残ツテ居タ。

側壁ハ高サ二尺位、東西全長四尺位、南北三尺位、使用ノ板石ノ厚サハ三寸位ノ練石デアツタ。

○○氏ノ亡父○○○○翁ノ話。

且ツテ之ノ古墳ノ蓋石ヲ溝ノ板橋ニ利用セントテ掘リ出シタ(中略)。

昔ヨリ里人ガ相当由緒アル所ト思ツテ居タニ相違ナイ。

西ノ古墳ハ法楽寺山ノ西南端ノ小丘上ニアリ。

東古墳ヨリ五、六○メートル距レテ居ル。

小生子供ノ頃ハ蓋石ハ既ニ散逸シテ居タガ、側壁ハアツタガ現在ハ之レモ消失シテ、只底石ノミデアル。

○○○○氏調査ノ時ハ南北六尺内外、東西四、五尺、底石ハ松香石。

接続面ニハ朱ヲ残シテ居ル。

○○○○氏ガ之ノ小丘ヲ開イテ畑地ヲ造ツタ時、祝部土器ガ其ノ南側ヨリ沢山出土(中略)。

大部分ハ○○○○氏保護。

一部ハ小生保護シテ居ル。

○=個人名のため割愛。

■は読めない文字。

句読点は筆者が読みやすいよういに入れました。

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■二上山博物館のイベント情報

スポット展(ミニ展示)「梵鐘の木型・龍頭と撞座〜五位堂鋳物師関係資料〜」

会  期:3月3日(土)〜3月25日(日)

開館時間:午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

会  場:香芝市二上山博物館・常設展示室

休 館 日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日以降、最も近い平日が休館日となります。

観 覧 料:一般200円(150円)、高校・大学生150円(100円)、小・中学生100円(50円)

          *( )内は20名以上の団体割引料金

*1月のスポット展「下田東遺跡文化財選」は引き続き、常設展(企画テーマ室)で展示しています。

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■二上山博物館のイベント情報

二上山博物館のイベントは随時ホームページで紹介しています。
http://www.city.kashiba.lg.jp/life/shisetsu/hakubutsukan/
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皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
以下のメールアドレスまでお寄せください。
info@city.kashiba.lg.jp 『かん館メール』係
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○●次回配信日は3月1日(木)の予定です。
お楽しみに!
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○企画・編集:二上山博物館・香芝市民図書館
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