五位堂駅前北第二地区

◇位置

 香芝市の東部にあり、近鉄大阪線五位堂駅の西約300mに位置します。地区東側は、区画整理事業により整備済みの五位堂駅前北地区に隣接し、また、北側には、国道165号が接しています。

◇事業目的

 本地区は、五位堂駅前北地区(施行済面積 15.1f)の西に隣接した地区で両地区を一体として都市計画決定されています。北側の丘陵地において公団(都市再生機構)施行の真美ヶ丘地区及び組合施行の西真美ヶ丘地区が接し周辺が急速に発展している中で、各地区との接続並びに近鉄大阪線南の旧市街地との整合を図るため、都市計画道路五ヶ所五位堂線、国道165号をはじめ葛下川等の公共施設の整備改善による宅地の利用増進と健全な住宅市街地環境の育成を図るため施行するものです。

◇事業概要

事業の名称 五位堂駅前北第二土地区画整理事業
施行者 香芝市
都市計画決定 昭和46年12月28日
事業計画決定 平成13年2月19日
施行面積 17.6ha
施行期間 平成12年度〜平成22年度
計画戸数、人口 550戸、 1,800人
平均減歩率 27.91%
総事業費 約53億円

一問一答

問1 「五位堂駅前北第二地区」の事業の状況について教えてください。
 
答1

 本地区は、平成13年2月19日に都市計画決定され、平成13年度に本地区の土地区画整理審議会委員を組織し、区画整理事業を開始しました。平成14年度から平成15年度におきまして、本地区のための洪水調整池を「大和川流域総合治水計画」に基づき築造しました。これは、降雨時に本地区に降った雨水を一時的に調整池に貯留し、河川への流入水量を調整することにより、洪水を防止するためのものです。
 平成15年5月22日には仮換地指定を行い、平成16年度からは、当地区で計画されている葛下川改修工事が奈良県施行により開始されました。
当地区は「瓦口森田遺跡」「下田東遺跡」の区域内に在るため、本事業における工事は、まず、工事着手する前に埋蔵文化財発掘調査を行い、それが完了したところから工事に着手していきます。
 又、工事の順序としては、初めに、地下構造物の築造を行います。具体的には、雨水管、汚水管、水道管、ガス管の埋設を行い、その工事が終了してから、道路の築造を行います。道路は、都市計画道路築造工事、区画道路築造工事、歩行者専用道路築造工事を行い、その他、街区公園築造工事、整地工事、水路改修工事を順次行っていきます。特に、平成20年度からは、地下構造物の築造も進捗してきたため、舗装工事、整地工事、公園工事を中心に整備を行っていきます。

 
問2 五位堂駅前北第二土地区画整理事業区域内において、埋蔵文化財の発掘調査をしていますか。また、どのような遺跡が存在しますか。
 
答2

 本地区には、香芝市教育委員会が発行している『香芝市遺跡地図(平成13年度改訂版)』に記載されている下田東遺跡(縄文時代早期〜中世)、瓦口森田遺跡(縄文時代後期・古墳時代・中世)、そのほか遺物散布地(弥生時代〜中世)として埋蔵文化財の存在が以前から周知されています。
 また、この開発事業が約17.6haと広大な面積であり未発見の遺跡の存在が考えられるため、文化財保護法に基づき発掘調査が市教育委員会で実施されています。

 

問3 これまでの発掘調査で、どのような成果が挙げられますか?
 
答3

 区画整理事業の開始に伴って、平成13年度から発掘調査を開始しています。初年度は本地区北東区域を調査し、墳丘長21mの帆立貝形前方後円墳である下田東古墳(古墳時代中期末)が検出されました。
 墳丘を囲む周濠からは、円筒埴輪のほか香芝市で初めて家形や盾形、馬形、人物形などの形象埴輪が出土しました。
 また、同古墳の南側の溝と河川跡からは飛鳥時代〜奈良時代の軒丸瓦や鴟尾(しび−屋根飾り)、凝灰岩など古代寺院を想起させる遺物が出土しています。
平成14年度は本地区西側区域を調査し、古墳時代中期末〜飛鳥時代の河川祭祀跡と平安時代まで断続的に営まれた集落跡を検出しました。
 平成15年度は本地区東側と南側の一部区域を調査し、東側では県内3例目の珍しい古墳時代中期の木製鞍(後輪…しずわ)を含む河川跡と室町時代前期の環濠居館跡を検出しました。
 また、南側では、本地区西側から続く集落跡と考えられる古墳時代〜鎌倉時代の建物跡や井戸などを検出しています。
 平成16年度は本地区東側区域を継続調査し、15年度調査した古墳時代の河川跡の継続部分と13年度調査した飛鳥時代〜平安時代の上流部分を検出しました。
古墳時代の河川跡からは木製鋤が出土し、また、飛鳥時代〜平安時代の河川跡には木杭で構築された護岸や堤防、橋脚跡、さらには人面墨書土器(顔が描かれた土器)や墨書土器(文字が書かれた土器)、土馬(馬の形をした小型の土人形)、馬歯、斎串(いぐし)などが出土し、当時の都である平城京などで行われた律令祭祀がここでも行われていたことがわかりました。
 平成17年度は本地区中央と北東部の都市計画道路を調査し、16年度調査で検出した平安時代の河川跡の継続部分と飛鳥〜平安時代の掘立柱建物群や井戸等を検出しました。
井戸からは香芝市で初めて木簡(平安時代初期)が出土し、農作業に関することや遺言の下書きのような内容が記されていたことからマスコミなどで注目を集めました。また、平安時代の河川からは護岸杭列や祭祀遺物(土器、馬骨)が見つかり、当時このあたりに役所的な施設が存在した可能性が高まりました。
 平成18年度は本地区南東側の区画道路と都市計画道路を中心に調査し、耕作に伴う素掘小溝や平安時代の井戸や掘立柱建物跡などを検出しました。井戸からはこれまで出土した瓦の中でもっとも古い飛鳥時代の軒丸瓦が出土し、さらには掘立柱建物の柱の礎盤(そばん−柱の土台)に平城宮に葺かれていた軒平瓦が転用されているのも出土しました。
 平成19年度は本地区北東区域の都市計画道路と南東側区域の区画道路を調査しました。南東区域では素掘小溝の下層から古墳時代後期の土坑や井戸などが検出され、中でも井戸枠に円筒埴輪を転用した井戸が検出されました。北東区域では周濠をもつ一辺約8mの方形墳が検出され、その東側の濠から組合せ式木棺の底板が出土しました。この木棺は長さ290p、幅は約65〜49p、厚さ約10pで両端に縄掛け突起がついています。縄掛け突起がつく木棺の底板が完全な形で出土したのは全国で初めてです。