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性の多様性と性的マイノリティについて
性の多様性と性的マイノリティ
子ども、高齢者、障がいのある人、外国人、スポーツが得意な人、音楽が得意な人、苦手な人、社会にはそれぞれの特徴を持ったさまざまな人が共に暮らしており、一人ひとりがその構成員です。同じように、性のあり方はそれぞれが持つ個性として全ての人に関わることであり、誰もが「多様な性」の構成員の一人です。自分の性について考えてみませんか。
2023年6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が施行されました。この法律は、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解が必ずしも十分でない現状に鑑み、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の役割等を明らかにするとともに、基本計画の策定その他の必要な事項を定めることにより、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性を受け入れる精神を涵養(かんよう)し、もって性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資することを目的としています。
性のありようは多様でグラデーション
からだの性
生まれながらの身体の性別
心の性(性自認)
自分の性をどのように認識するか
好きになる性(性的指向)
どのような性の人を恋愛対象にするか
表現する性
服装、しぐさ、言葉づかいなど
LGBTQ+とは
LGBTQ+は性的マイノリティ(少数派)をあらわす言葉として使われています。社会にはたくさんのLGBTQ+の人たちが暮らしています。「理解してもらえないかも」「差別されるかも」という不安を抱え、自分の学校や職場、また友人や家族にさえ言えず、苦しい思いをされている方がいます。マイノリティであるかどうかにかかわらず、自分が思う性別で暮らし、自分らしく生きることが大切です。
L | レズビアン(Lesbian) | 同性を好きになる女性 |
G | ゲイ(Gay) | 同性を好きになる男性 |
B | バイセクシュアル(Bisexual) | 同性も異性も好きになる人 |
T | トランスジェンダー(Transgender) | 生まれた時とは異なる性別で生きる人 |
Q | クエスチョニング(Questioning) | 自分の性のあり方について、わからない、迷っている、決めたくない人 |
+ | プラス | 他にも人を好きにならない人、自分の性別が男性でも女性でもないと考えている人など、性のあり方は多様です。 |
SOGIE(ソジー)とは
性の多様性を表す際に使われます。SOGIEは、LGBTQ+だけでなく誰もが持っている性の要素です。
SOGI(ソジ・ソギ)と表現されることもあります。
SO |
セクシュアル・オリエンテーション |
性的指向。好きになる性別。 |
GI |
ジェンダー・アイデンティティ |
性自認。自分の性別についての認識。 |
GE | ジェンダー・エクスプレッション (Gender Expression) |
性表現。服装や髪形、一人称など性別についての表現。 |
一人ひとりができること
様々な調査が行われ、日本では人口のおよそ5~8%が性的マイノリティに該当するとされています。この数字の割合は「左利き」や「AB型」の人の割合と同じくらいの数字です。自分の学校、会社や組織の人数を考えたとき、5~8%に該当する人は何人になるのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
・周囲に性的マイノリティの方がいるかもしれないと思って行動する。
・「ホモ」「レズ」「おかま」などの差別的な言葉を使わない。
・見た目でほかの人の性のあり方を決めつけない。
・講演会へ参加したり、書籍を読んだりして、多様な性について正しく理解する。
アウティングはやめましょう
アウティングとは、他人の性的指向や性自認を、本人の許可なく他の人に暴露することです。口頭で話すだけでなく、SNSなどで情報を流す行為もアウティングにあたります。カミングアウト(自らの意思で自らの性のあり方を誰かに伝えること)をされたら、たとえ善意でも、本人の同意なく他の人に伝えることは絶対にしてはいけません。
Ally(アライ)になろう
Ally(アライ)とは、当事者でない人がLGBTQなどのセクシュアルマイノリティを理解し、支援するという考えやその考えを持つ人のことをいいます。誰もが自分らしく生きられる社会を実現するためにはAlly(アライ)の存在がとても重要です。
参考
性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(内閣府)<外部リンク>
人権相談
法務局みんなの人権110番<外部リンク>